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犬の散歩でゴミ拾い|プロギングの運動効果と、続けるための3つの条件

更新: 2026年9月5日16分で読める
落ち葉の積もった公園を、住宅街を背景にリードをつけて散歩するキャバプーの茶々丸

茶々丸(キャバプーの女の子)が、電柱の根元で焼き鳥の串を咥えそうになったことがあります。鼻先が伸びるのと、私がリードを引くのが、ほとんど同時でした。いつも間に合うわけではありません。薬の PTP シート——カプセルを押し出す、あの銀色のケース——を飲み込んだかもしれない、と動物病院に駆け込んだこともあります。結局は飲んでいませんでした。ただ、診察を待っているあいだのことは、しばらく忘れられそうにありません。

拾い食いそのものを止めるトレーニングは 犬の拾い食いをやめさせる方法 に書きました。ただ、その帰り道で思いついたことがあります。うんちを袋に入れて持ち帰る、あの当たり前の動作のついででいいんじゃないか。袋はもう手にありますし、屈む癖もついています。串の一本くらい、自分の手でつまんでしまえばいい。茶々丸の鼻先より私の指のほうが先に届けば、事故は起こりません。

そうやって散歩のついでに街のゴミを拾うようになって、ひと月が経ちました。先に結論を書いておきます。一ヶ月続けても、街が目に見えてきれいになった実感はありませんでした。 それでも、無駄だったとは思いませんでした。効果が見えにくいのは街のほうであって、足元——茶々丸が口に入れられるものの数——のほうではないからです。

この「ついで仕事」、どうやら世界では「プロギング」と呼ばれているらしい、と知ったのは、つい最近のことです。スウェーデン語の plocka upp(拾う)と英語の jogging を繋げた造語だそうで、国連環境計画も Keep America Beautiful も、まじめにその効能を発信しています。私の手元の袋に、いつのまにか北欧由来の名前がついていました。

この記事には、その一ヶ月で調べたことと、続けてみて分かったことを書きました。プロギングの運動効果、日本の散乱ごみの実態、続けるための三つの条件。それと、一ヶ月やってみて何が変わらなかったか。明日の散歩の付け足しに使えるところがあれば、持って帰ってください。

免責: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療・法令・自治体ごとの具体的な規制・指導の代替ではありません。注射器や薬物が疑われる物、大型の廃棄物、動物の死骸などには素手で触れず、警察や自治体の窓口にご相談ください。愛犬の健康や行動面に不安がある場合は、かかりつけの獣医師やドッグトレーナーにご相談ください。

プロギングとは何で、どこから来たのか?

スウェーデン人の Erik Ahlström さんが、2016年にストックホルムで始めたのが、はじまりだそうです。スウェーデン北部の小さなスキーの町 Åre で20年暮らしたあと首都に戻ってみたら、街がずいぶん汚れていた。ナッカからエステルマルムまでの自転車通勤の途中で、何週間も誰にも拾われずに残っているゴミを見かねて、自分で拾いはじめた。plogging.org には、そう書かれています。拾うことが習慣になり、そのあとで自分のランニングに組み込んでいった、と UNEP は書いています。

2016年には周りの人も加わりはじめ、そこから SNS を通じて世界に広がりました。UNEP が2018年に書いた記事の時点で、公式オンライングループには40か国以上が参加しています。plogging.org は、100か国以上でおよそ2万人が毎日プロギングしているとしています。日本にも「プロギングジャパン」という一般社団法人があり、ごみ拾いイベントの参加者を募集しています。私は参加したことがなく、もっぱら一人で拾っているだけです。

Keep America Beautiful の解説によれば、プロギングはジョギングだけとはかぎらず、歩いても、走っても、ぶらぶら散歩でもいいのだそうです。plogging.org のほうはもっと大雑把で、必ずしも走ったりジョギングしたりする必要はない、街を歩きながらでも、ゴルフ場でも、自転車でも、どこでもいい、と書いています。要するに「移動しながら拾う」のが本体なのでしょう。犬の散歩も、その範囲に入ります。

日本の散歩ルートに、何が落ちているか

先に、何が落ちているのかを把握しておくと、散歩中、視線がぐらつかずに済みます。

その前に、Erik Ahlström さんが plogging.org で語っている言葉を、ひとつだけ引かせてください。以下は私の訳です。

スウェーデンはどんどん汚れていく。人口1000万人の国で、毎日270万本のタバコの吸い殻が路上に落ちている。

遠い北欧の話だと読み流してしまいそうになりますが、これから並べる日本の数字を見ると、そうも言っていられません。

食品容器環境美化協会という長い名前の団体が、首都圏と近畿圏の90地点で「散乱実態調査」(2000〜2003年度)を実施しています。2003年度の構成比は、こうでした。

分類構成比
たばこの吸い殻40%台半ば〜60%弱
容器包装(飲料容器以外)20〜30%弱
紙くず・その他17〜20%弱
飲料容器(缶・ペットボトル等)2〜8%

数字はオフィス街・市街地・歩道・分離帯・公園という5つの場所ごとの下限と上限です。構成の違う河川敷は、この5つから除かれています。場所ごとの幅なので、上限どうしを足すと100%を超えます。

二十年以上前の調査ですから、いまの路上がそのままこの構成比だとは言い切れません。ただ、半分前後が吸い殻、次が容器包装(袋・包装紙・食品トレイなど飲料容器以外)、そして紙くず・その他、という順序を頭に入れておくだけで、散歩中の目の置きどころが決まります。

プロギングの運動効果は犬の散歩に釣り合う?

「ゴミ拾いは社会貢献、運動は運動」と分けて考えていると、忙しい日に社会貢献のほうから先に落ちます。両方を一つの動作に重ねるほうが、私には向いていました。

プロギングの消費カロリーとしてよく引かれるのが、288キロカロリーという数字です。ジョギング単体の約235キロカロリーより2割以上多い、という比較で紹介されます。

ただし、この数字が何分ぶんなのかは、出典によって食い違います。国連環境計画は Ahlström さん本人の話として、30分で288キロカロリーと書いています。Keep America Beautiful は Lifesum アプリのデータとして、1時間で288キロカロリーとしています。同じ数字が違う時間に紐づいている以上、どちらかが取り違えている可能性が高いです。

ここから先は私の判断ですが、本人の発言を載せている国連環境計画のほうを採りました。ただし断っておくと、これは2つのうち多いほうの見積もりです。30分で288キロカロリーは、1時間あたりに直すと Keep America Beautiful の2倍にあたります。少なく見たい方は、1時間で288キロカロリー(30分なら約144キロカロリー)で読んでください。

数字の幅はそのまま受け取るとして、屈んで拾う動作が、軽いスクワットの代わりになる——この理屈のほうが、私には腑に落ちます。

犬の散歩と相性がいい3つの理由

  • 嗅ぎ止まりと屈みのタイミングが合う: 茶々丸が電柱で立ち止まる15秒ほどが、ちょうど一つ拾える時間。散歩の流れを乱さずに屈伸を挟める
  • 歩く・屈む・歩くのインターバルになる: 連続して歩くだけの散歩より、動きに緩急がつく
  • ペースが犬の都合: ランナーのプロギングのように颯爽とはいかないが、回数を重ねれば消費カロリーの総量はそれなりに出る

ただし、ここで挙げた数字は、どちらもジョギング(約235キロカロリー)との比較として示されたものです。犬の散歩は止まる時間のほうが長く、ランナーの数字がそのまま当てはまるとは考えないほうが無難です。私自身、消費カロリーを測ってみたことはありません。

ゴミ拾いは愛犬の拾い食いを物理的に減らす

運動効果より、私が実感しているのはこちらです。

散歩中に茶々丸が鼻先を寄せてヒヤッとするもの——タバコの吸い殻、焼き鳥の串、チョコや人間の食べ物、落ちた薬、尖った金属片——は、どれも「路上に落ちているゴミ」と重なります。茶々丸が鼻を下ろす前に、私が先につまんでしまえば、事故そのものが起こりません。拾い食いの予防としては、犬のトレーニング(Leave it 等)よりも一歩手前の、環境側の対処です。

行動トレーニングは大事で、別の記事に 犬の拾い食いをやめさせる方法 として書きました。ただ、トレーニングは時間がかかりますし、完全には消せません。落ちている物自体をこちらの手で減らすほうが早い場合もある、というのが一ヶ月続けての感想です。

続くかどうかは、何で決まる?

ここが本題です。プロギングは「やってみよう」と決めた当日なら、誰でもできます。問題は、三週間後、三ヶ月後にも続いているかどうかです。

Lally ら(2010)が欧州社会心理学誌に発表した習慣化の研究では、96人が毎日同じ文脈(たとえば「朝食後」)で何かひとつの行動を12週間続けました。解析に足るデータを出したのは82人です。そのうち曲線モデルがよく当てはまった39人について、自動化の度合いが頭打ちになる水準の95%に達するまでの日数は、中央値66日でした。範囲は18日から254日で、個人差はかなり大きい。さらに運動の行動は、食べる・飲む行動より1.5倍長くかかっていました(中央値で運動91日、食べる65日、飲む59日)。ただし各群10〜15人と小さく、この差に統計的な有意性は出ていません(p=0.328)。著者ら自身、サブグループ解析の検出力が足りないので、この「有意差なし」という結果を決定的と見なすべきではない、と断っています。

つまり習慣化は、最短18日、長ければ半年以上かかります。覚悟の問題というより、設計の問題です。

この記事で使う知見は、そのうち二つです。同じ文脈で繰り返すと自動化が進むこと。そして、一日くらいの抜けは形成に響かないこと。この二つを犬の散歩に落とし込むと、続くかどうかを分ける条件は三つに整理できます。ここから先は論文そのものの主張ではなく私の解釈ですが、一ヶ月やってみて効いたと感じたのも、この三つでした。気合や性格ではなく、行動の設計側にある地味なパターンです。

条件1: 道具が常に「手元」にある

家を出る時に「今日はやろう」と思ってから装備を探しはじめると、たいてい続きません。Lally の論文が言う「同じ文脈で繰り返す」は、意志のほうではなく、物理的な動線のほうで先に作ってしまうのが早いのだと思います。

私の場合、増やしたものは一つだけです。うんち用に持っている袋を、もう一枚だけ多く持って出る。それで、拾う道具は最初から手元にあることになります。リードを取る動作と袋を用意する動作は、もともと同じ流れの中にあるので、「やろうかな、やめようかな」と迷う一秒が、そもそも挟まりません。

条件2: 散歩のルーティンに「組み込み済み」である

「プロギングのために時間を取る」発想だと、続きません。もともと毎日やっている散歩に、「電柱下を見る」「排水溝の手前で一瞬しゃがむ」という、ほんの小さな動作を重ねるだけにします。行動設計の実務では Habit Stacking(習慣の重ね掛け)と呼ばれます。Lally の論文の用語ではありませんが、要するに、新しい習慣をすでにある習慣の背中におんぶさせる工夫です。

茶々丸が電柱で念入りに嗅いでいる十数秒のあいだに、私は電柱の根元を見ます。この順番が固まると、「今日やるか、どうしようか」を散歩のたびに考え込まずに済みます。考えなくて済むというのが、続いている状態に近いように思います。

条件3: 目標が「量より接触頻度」で設計されている

「毎日レジ袋一杯ぶん拾う」と勇ましいノルマを決めてしまうと、しんどい日に散歩そのものが億劫になります。下限は、極端に低いほうがいい。

私がやっているのは、散歩のルートで目についたものを拾う、それだけです。担当区間を決めているわけでも、落ちているものを全部拾い切れているわけでもありません。一個だけの日もあります。

先に挙げたもう一つの知見が、ここで効きます。一日くらいの抜けは、習慣の形成に大きくは影響しません。ここから先は論文の知見ではなく私の運用ですが、だとすれば守るべきは拾う量ではなく、ゼロの日を続けないことのほうだと思っています。一日に一個だけ拾った日があってもいい。ゼロの日が何日も続かなければ、それで足ります。

実のところ、疲れ切っている日は挫けかけます。実際に挫けた日もあります。それでもいい、と思うことにしています。

何を拾って、何を拾わない?

衛生と安全の線引きは、はっきりさせておかないと、判断に迷う日が来ます。

拾わないもの:

  • 注射器、鋭利な医療廃棄物(感染症のおそれ。素手では絶対に触らない)
  • 大量の液体が残っている飲料容器(こぼれてかえって地面を汚しがち。倒れているペットボトルは飲み口を上にして立て直すだけにする)
  • 動物の死骸(自治体の窓口へ通報)
  • 産業廃棄物らしき大きな物(警察か自治体へ通報)
  • 茶々丸が興味を示して取り合いになりそうな物(まずは犬を遠ざけてから拾う)

拾いやすいもの:

  • タバコの吸い殻(数がいちばん多く、犬が口にすると危ない。最優先のターゲット)
  • 紙くず・袋類(軽くて、拾うのに手間がかからない)
  • ペットボトルキャップ・缶のプルタブ(小型で誤飲リスクあり)
  • マスク(軽くて風に流されやすく、側溝の手前に溜まりやすい)

犬と一緒に拾うなら、「犬を先に下がらせる」「素手では触らない」の二点は外せません。犬が興奮して横から鼻を突っ込むと、こちらも犬も、いちどに事故になりかねません。順番は、犬を下がらせてから拾う。

犬と一緒にやるゴミ拾いの装備は何を揃える?

過剰な装備は、続かないいちばんの敵です。専用のトングや作業手袋を買い揃えるところから始めると、たいてい道具のほうが先に飽きられます。

私が使っているものは、袋だけです。

うんち用に持っている、あの透明な袋。あれをもう一枚だけ多く持って出て、拾ったゴミはそちらに入れます。うんちと混ぜないので、帰ってからの分別で困ることもありません。トングも、手袋も、消毒スプレーも、私は持っていません。

袋を手袋がわりにする

濡れたマスクや吸い殻を掴む時は、袋を手にかぶせて「手袋がわり」にして掴み、そのままひっくり返して袋に収めます。犬のうんちを拾う、あの素朴な手つきと、まったく同じ構造です。「素手では触らない」という一線は、これで守れます。

道具を増やさなかったのは、こだわりがあったからではありません。増やすと、玄関で用意する手順が一つ増えるからです。条件1に書いた「迷う一秒を挟まない」は、道具が少ないほど守りやすくなります。

ご近所からどう見られる?恥ずかしさをどう超えるか

若干、恥ずかしいです。いまでも少し恥ずかしい。他人の家の前でしゃがんで吸い殻を拾っている姿は、傍から見れば挙動不審だろうな、と思いながらやっています。

正直に書くと、一ヶ月続けても、誰かに声をかけられたことはありません。「ありがとう」と言われたわけでもないし、真似してくれた人が現れたわけでもない。一人で拾って、一人で帰ってきています。

プロギングが世界に広まったのは SNS の力が大きかった、と UNEP は書いています。新しく参加する人の多くは、オンラインで見たものに触発されている、とも。ご近所のレベルで同じことが起きるかどうかは、UNEP の記事には書かれていません。少なくとも私の一ヶ月では、何も起きませんでした。

なので、周囲の反応を燃料にするのは、たぶんやめておいたほうがいいです。恥ずかしさが消えるのを待つのでもなく、消えないまま続けるほうが、たぶん現実的です。

住宅街では、他人の敷地のなかにあるゴミには手を出さないほうがいいです。あくまで公道上のものだけ。これは散歩中のおしっこマナーで他人の家の前を避けるのと同じ考え方です。散歩中のおしっこマナー記事 に書いた、他人の財産を避けさせるという原則が、ここでも効いてくれます。

茶々丸と続けて1ヶ月、街はどう見えるようになった?

正直に答えると、ほとんど変わりませんでした。

心持ち、道が少しきれいになったか——という気はします。ただ、確信はありません。一ヶ月ぶんの吸い殻を拾ったところで、次の日にはまた新しいものが落ちています。街が目に見えてきれいになった、という実感は、私にはありませんでした。

自己満足かもしれない、という気がしています。

それでもいい、というのが一ヶ月やってみた結論です。もともとの動機は街をきれいにすることではなく、茶々丸の鼻先より私の指が先に届くようにすることでした。そちらは、拾った数のぶんだけ確実に果たされています。串を一本拾えば、少なくともその串を茶々丸が咥えることはない。効果が見えにくいのは街のほうであって、足元のほうではありません。

続けてみてぶつかったことも、書いておきます。

  • 雨の日: そもそも散歩に行きません。Lally の言う「一日の抜けは大きく影響しない」に、ここは素直に甘えています
  • 疲れ切っている日: 挫けかけますし、実際に挫けた日もあります。ゼロの日があっても、次に戻れれば足りると考えています
  • 犬や他人に気を取られている時: リードコントロールが最優先。拾うのは、あくまで余白でやることです

今日からできる3ステップ

ここまでの内容を、明日からの散歩にそのまま落とし込める三つの手順にまとめます。

  1. 袋を一枚だけ増やす。うんち用に持っている袋を、もう一枚多く持って出る。それだけです。道具を買い足さないので、玄関で用意する手順も増えません。装備を探す摩擦が、そもそも生まれない(条件1)
  2. 下限を「一個」にする。量のノルマは作らない。一日の抜けより、ゼロの日が続くことのほうを警戒する。余裕がある日は増やせばいい(条件3)
  3. 嗅ぎ止まりに重ねる。新しい時間を作るのではなく、既存の散歩のルーティンに、犬の嗅ぎ止まりの十数秒を借りて、ほんの小さく差し込む(条件2)

まとめ

ゴミ拾いは立派な志を持った人だけのものだと、私は長らく思っていました。茶々丸との一ヶ月で、その思い込みは薄らぎました。志ではなくて、ついで仕事。社会貢献ではなくて、愛犬の事故予防。動機が立派でなくても、袋に吸い殻が一つ入る事実のほうは変わりません。

街が変わった実感はない、と書きました。それでも、拾った吸い殻の数だけ、茶々丸がそれを咥える機会は減っています。派手な成果ではないし、他人から見れば自己満足でしょう。ただ、しっぽが揺れるたびにまちが少しきれいになる、という SiPPO Friends のビジョンの入り口は、たぶんこのくらいの地味さのところにあるのだと思っています。

SiPPO Friends には、散歩中のゴミ拾いや危険箇所レポートといった地域貢献アクションを、ポイントとバッジで可視化する仕組みがあります。機能はすべて無料です。「お散歩ゴミ拾いプログラム」に一度参加すると、以降は散歩を終えるたびに地域貢献ポイントが付きます。拾った個数を数える仕組みではありません。アプリ自身が断っているとおり「1散歩あたり1個の推定値」として、コミュニティ全体の数字に積み上がる形です。正確な計測ではなく、「続けている自分」を小さな報酬で後ろから押すための仕組みです。続けるための四つめの補助線になればと思って作りました。

同じ住宅街を歩いている飼い主の方の明日の散歩が、これで少し軽くなれば嬉しいです。串より先に、こちらの指が届けばなおいいです。

よくある質問

プロギングとは何ですか?
スウェーデン語の plocka upp(拾う)と英語の jogging を組み合わせた造語で、走ったり歩いたりしながらゴミを拾う運動です。2016年にストックホルムの Erik Ahlström 氏が個人で始め、SNS を通じて各国に広がりました。UNEP の2018年の記事の時点で、公式オンライングループに40か国以上が参加しています。plogging.org によればランニング専用ではなく、歩き・自転車・ゴルフ場など移動手段や場所を問いません。Keep America Beautiful も、ジョギングだけとはかぎらず、歩いてもぶらぶら散歩でもよいとしています。
犬の散歩でゴミ拾いをすると運動効果はありますか?
あります。ただし数字の分母は出典で食い違います。国連環境計画は Ahlström 氏本人の話として30分で約288kcal、Keep America Beautiful は Lifesum アプリのデータとして1時間で約288kcal としています(ジョギング単体はいずれも約235kcal)。この記事では前者を採りましたが、時間あたりに直すと前者は後者の2倍で、多いほうの見積もりです。屈んで拾う動作が軽いスクワットの代わりになるため、とされています。
散歩中のゴミ拾いは犬の拾い食い予防になりますか?
なります。タバコの吸い殻、焼き鳥の串、落ちた薬、尖った金属片など、犬の拾い食い事故の原因になる物は路上のゴミと重なります。犬が鼻を下ろす前に飼い主が先につまめば、事故そのものが起こりません。Leave it などの行動トレーニングより手前の、環境側の対処にあたります。
日本の道路にはどんなゴミが多いのですか?
食品容器環境美化協会が首都圏・近畿圏の90地点で実施した散乱実態調査(2000〜2003年度)では、たばこの吸い殻が最多でした。2003年度の構成比は40%台半ば〜60%弱です。次いで容器包装(飲料容器以外)が20〜30%弱、紙くず・その他が17〜20%弱、飲料容器が2〜8%。数字は河川敷を除く5つの場所ごとの下限と上限で、場所によって構成が違います。
ゴミ拾いを習慣として続けるコツはありますか?
Lally ら(2010)の習慣化研究では、自動化の度合いが頭打ちになる水準の95%に達するまでの日数は、モデルがよく当てはまった39人で中央値66日、範囲18〜254日でした。続けやすくするコツは、道具を増やさず手元にあるもので済ませる、既存の散歩ルーティンに動作を重ねる、目標を『量』ではなく『ゼロの日を続けない』という接触頻度で設計する、の3点です(3点はいずれも筆者が散歩に落とし込んだ解釈・運用です)。

出典・参考文献

  1. Plogging: the eco-friendly workout trend that's sweeping the globeUnited Nations Environment Programme (UNEP)
  2. Plogging 101: A Workout That Cleans the PlanetKeep America Beautiful
  3. How are habits formed: Modelling habit formation in the real worldEuropean Journal of Social Psychology (Lally et al., 2010)
  4. 散乱実態調査(2000年度〜2003年度)公益社団法人 食品容器環境美化協会
  5. プロギングジャパン 公式サイトプロギングジャパン
  6. What is Plogging?Plogging.org(Clean Trails, Inc. 運営、Erik Ahlström 提携)

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SiPPO Friends 編集部

SiPPO Friends 編集部

犬の飼い主のための情報を、海外の獣医学研究や公的機関の資料をもとにお届けします。

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