犬を飼ったら電気代はいくら上がる?つけっぱなしのエアコン代を自宅の明細で分けてみた

2024年8月に茶々丸(キャバプー・9kg)を迎えてから、わが家のエアコンはほとんど止まらなくなりました。スーパーへ行くだけの外出でも、つけっぱなしで出かけます。夜もつけっぱなしです。迎える前は、出かけるたびに切っていましたし、夜は我慢してつけない日もありました。
電気代は、はっきり上がりました。迎える前の7月と迎えた後の8月で、差額は1.5万円くらいあったと記憶しています。ただ、当時の明細は電力会社を変えたときに見られなくなっていて、この数字は記憶です。いまの明細は手元にあって、2026年8月15日から9月14日までの31日間で679kWh、電気料金は23,839円でした。国の値引き3,056円が引かれて、請求額は20,783円です。これが全部、茶々丸のためのエアコン代なのか。電力会社のアプリで月ごと・30分ごとの使用量を見て、分けてみました。
先に結論を書くと、犬の飼育に伴って増える光熱費の平均は年22,273円、月にすると2,000円弱です(アニコム損保 2025年調査)。 わが家では夏の盛りに冷房の分が月約500kWh、値引き前で約1.8万円増えていました。ただ、茶々丸がいなければ切っていた時間と、茶々丸のために下げた1℃の分だけを数えると、7月の見積もりで、外出中の分を除いて4,000〜6,400円ほどでした。残りの大半は、茶々丸がいなくても使っていた、私たち人間のための冷房です。
免責: 本記事は公表された資料と、わが家1軒の電気の使用量を整理した一般的な情報提供です。電気代は住宅の断熱・エアコンの機種・契約プランによって大きく変わります。犬の体調や室温の管理については、獣医師の診断に代わるものではありません。暑さや寒さへの反応が気になるときは、かかりつけの獣医師にご相談ください。
犬を飼うと電気代はいくら上がるのでしょうか?
平均の数字から見ておきます。医療費の記事(犬の医療費は年間いくら?)でも触れた調査です。アニコム損保が2026年3月に公表した調査では、2025年の1年間に犬の飼育に伴って増えた光熱費は22,273円で、前年比105.4%でした。月あたりにすると約1,860円です。
この数字は、ペット保険の契約者が自分で見積もった「飼育に伴う追加分」です。電気代の明細に犬の行が載るわけではないので、どこまでを犬の分と考えるかは回答した人それぞれです。前年の2024年分は21,125円でした。同社は2024年分の調査で、大きな自然災害や夏の猛暑の影響で、飼育に伴う追加の光熱費も上がったと説明しています。夏の暑さで、平均も年ごとに動きます。
わが家の増え方は、この平均の何倍もあります。理由ははっきりしていて、リビングのエアコンを24時間つけ、夜は寝室も合わせて2台動かしているからです。環境省の家庭部門のCO2排出実態統計調査(令和5年度)では、暑い時期の平日に主に使うエアコンを24時間つけている世帯は10.1%でした。わが家はこの1割の側に入ります。
つけているのはリビングと寝室です。昼間はリビングだけで(昼寝をするときは寝室もつけます)、寝室は夜につけます。夜、茶々丸は寝室で寝ますが、リビングも夜通しつけています。茶々丸は夜中にリビング側のトイレへ行きますし、廊下のほうにも冷気が回るので、もうつけっぱなしでいいか、という判断です。夏の夜、誰もいないリビングのエアコンは、茶々丸が夜中にトイレへ行くときのために動いています。
うちの電気代、茶々丸の分はいくらだったのでしょうか?
迎える前の使用量が残っていないので、「飼う前と飼った後」を直接比べることはできません。そこで、いまのデータの中で比べることにしました。電力会社のアプリには、2025年7月の途中からの使用量が残っています。
| 月 | 使用量 |
|---|---|
| 2025年8月 | 667.2kWh |
| 2025年9月 | 685.3kWh |
| 2025年10月 | 396.6kWh |
| 2025年11月 | 401kWh |
| 2025年12月 | 491.4kWh |
| 2026年1月 | 565.2kWh |
| 2026年2月 | 510.8kWh |
| 2026年3月 | 504.2kWh |
| 2026年4月 | 396.8kWh |
| 2026年5月 | 408.6kWh |
| 2026年6月 | 526.8kWh |
| 2026年7月 | 901.9kWh |
| 2026年8月 | 681.7kWh |
冷暖房をほとんど使わない2025年10・11月と2026年4・5月は、どれも400kWh前後に収まっています。経済産業省は再エネ賦課金の負担額を示すとき、「一般的な世帯」のモデルを月400kWhとしています。冷暖房を使わない月のわが家は、ちょうどその一般的な世帯と同じくらいです。
この400kWhを、エアコンを除いた「素の電気」とみなします。すると、2026年7月は素の電気より約500kWh多く、1月は約165kWh多い計算です。2025年9月から2026年8月までの12か月の合計6,470.3kWhから、400kWh×12か月を引くと、約1,670kWhが残ります。いまの値引き前の単価(1kWhあたり35.11円)で換算すると、年に約5.9万円です。
ただ、この約5.9万円がそのまま茶々丸の分というわけではありません。私は基本的に在宅で仕事をしているので、茶々丸がいなくても、昼間のリビングはエアコンをつけていたはずです。茶々丸のために増えたのは、次の3つです。
- 外出中もリビングのエアコンを切らなくなった
- 夜、寝室に加えてリビングもつけるようになった
- 夏の設定温度を、25℃くらいから24℃に下げた
これを30分ごとの使用量で数えました。比べたのは、冷暖房をほとんど使っていない2026年5月22〜27日の6日間と、冷房が入っている9月18〜21日の4日間です。
| 期間 | 1日の使用量(平均) | 0〜6時の平均 |
|---|---|---|
| 5月22〜27日(冷暖房なし) | 12.82kWh | 0.52kW |
| 9月18〜21日(冷房あり) | 25.15kWh | 1.07kW |
9月18〜21日の気温でも、冷房で1日に約12.3kWh増えています。0〜6時の上乗せは0.55kWで、1日全体の上乗せを24時間でならした0.51kWとほぼ同じでした。寝ている夜中も、昼間と同じくらいの電気がエアコンに流れ続けています。
外出中の分は、9月20日の実測があります。この日は13時ごろから21時ごろまで家を空けて、茶々丸だけが家にいました。つけていたのは、記憶ではリビングの1台だけです。この8時間の使用量は6.5kWh、平均0.81kWでした。5月でいちばん低かった夜(5月24日の0〜6時、平均0.22kW)を冷蔵庫や待機電力だけの目安にすると、エアコンの分は約0.6kWです。値引き前の単価で、1時間あたり約21円になります。
これを7月に当てはめます。7月の1日あたりの上乗せは約16.2kWhで、9月18〜21日の約1.3倍あったので、同じ比率で大きくしました。0〜6時以外の時間帯の上乗せは、7月の1か月で約370kWhになります。
| 茶々丸のために増えた分 | 2026年7月の目安 |
|---|---|
| 夜中のリビング | 約67kWh・約2,360円 |
| 設定温度を1℃下げた分 | 約48kWh・約1,680円 |
| 合計 | 約115kWh・約4,040円 |
夜中のリビングは、0〜6時の上乗せの半分をリビングの1台分としました。設定温度の分は、1℃ゆるめると冷房で約13%減るという環境省の見込みを、0〜6時以外の上乗せ(約370kWh)に当てはめています。これに外出中の分が、1時間あたり約21円(9月20日の値)ずつ加わります。
合計の約4,040円は、7月の上乗せ約1.8万円(値引き前)の4分の1に届きません。夜中の上乗せを寝室の分まで全部茶々丸の分と数えても約6,400円で、3分の1ほどです。迎える前も、我慢しなかった夜は寝室をつけていたので、全部を数えるのは多めの見積もりになります。
見積もりには仮定が入っています。夜中の上乗せを2台で半分ずつに分けたこと、9月18〜21日の比率を7月に当てはめたこと、5月の夜を素の電気の目安にしたことです。それでも、上がった電気代の大半は、茶々丸がいなくても使っていた私たち自身の冷房でした。記憶にある1.5万円の差額にも、茶々丸の分だけでなく、7月から8月にかけての暑さの違いが混ざっていたのかもしれません。
電気の単価が上がっただけ、ではないのでしょうか?
電気代が上がったと感じるとき、使った量ではなく単価が上がっていることもあります。茶々丸を迎えた2024年からいまにかけて、単価を動かすものが少なくとも2つ変わっています。
ひとつは再エネ賦課金です。経済産業省によると、1kWhあたりの単価は2024年度が3.49円、2026年度が4.18円です。わが家の直近の明細(679kWh)に当てはめると、賦課金だけで2,369円から2,838円に、469円増える計算です。
もうひとつは国の値引きです。電気・ガス料金の支援は、実施される月とされない月があります。東京電力エナジーパートナーの一覧では、2024年は7月使用分に値引きがなく、8月と9月の使用分は1kWhあたり4.0円引きでした。2026年は7月と9月の使用分が3.5円、8月の使用分が4.5円引きです。
| 使用月(抜粋) | 国の値引き(低圧・1kWhあたり) |
|---|---|
| 2024年7月 | なし |
| 2024年8〜9月 | 4.0円 |
| 2024年10月 | 2.5円 |
| 2026年4〜6月 | なし |
| 2026年7月・9月 | 3.5円 |
| 2026年8月 | 4.5円 |
当時の電力会社でも値引きが適用されていたなら、8月は値引きの分だけ、単価を下げる方向に働いていたことになります。私が覚えている「7月から8月で1.5万円増えた」は、少なくとも値引きについては単価が下がる側に動いた月をまたいでいます。増えた分は、使った量のほうから来ていたと考えるのが自然です。
わが家の直近の明細にも、この値引きが入っていました。8月15日から9月14日までの分に、1kWhあたり4.5円に使用量をかけた3,056円です。値引き前の電気料金23,839円に対して、1割以上が引かれています。
いまの私の契約は基本料金がなく、電力量料金の単価も一定です。それでも、値引きのある月とない月、賦課金が切り替わる5月検針の前と後では、同じ使用量でも請求額が変わります。電気代を前の月や前の年と比べるなら、金額ではなく使用量(kWh)で比べたほうが確実です。
エアコンを24時間つけると、月いくらかかりますか?
エアコンの電気代を見積もる計算は、何を使うかで大きく変わります。カタログにある期間消費電力量は、冷房期間を5月23日〜10月4日、使用時間を6時から24時の18時間、東京の平均的な木造住宅(南向き)と決めて出した数字です(省エネ型製品情報サイトの「エアコン」の解説)。これを日割りすると、24時間つける家の実態より小さく出ます。反対に、最大の消費電力に24時間をかけると、エアコンが1日じゅう全力で動き続ける前提の数字になります。
わが家の実測では、7月の上乗せ約500kWhは、リビングの24時間と、夜(と昼寝のとき)の寝室を合わせて、1時間あたりにならすと0.67kWです。茶々丸だけが家にいた9月20日の午後は、リビングの1台で約0.6kWでした。
ダイキン工業の夏の実験では、約14畳の部屋で4.0kWのエアコンを冷房26℃でつけっぱなしにすると、1時間あたりの平均の消費電力量は日中0.37kWh、夜0.34kWhでした。大阪の最高気温36℃台の日の測定です。わが家の1台の数字は、それより大きめに出ています。部屋の広さや機種、建物の断熱で変わる部分です。
ダイキンの日中の数字(1時間0.37kWh)で24時間・31日つけると、約275kWhです。わが家の値引き前の単価なら、1台で月9,700円ほどになります。
犬に必要な室温は何度ですか?
すべての犬に当てはまる温度の範囲は、示されていません。欧州食品安全機関(EFSA)は2023年に繁殖施設の犬の飼育環境を評価した報告書で、温熱的中性域(代謝や体の熱の産生が気温によらず一定になる温度域)について、こう書いています。
"As large differences and variation exist among diverse dog breeds and types, a common and general range defining the TNZ for all dog breeds that prevents thermal stress cannot be provided."
犬種やタイプによって違いやばらつきが大きいため、暑さ寒さのストレスを防ぐ、全犬種に共通する温熱的中性域(TNZ)の範囲は示せない。
公的な資料に載っている室温の数字は、業者や研究施設に向けた基準です。環境省が動物取扱業者向けに出した運用指針には、「一般的に、犬猫の飼養を行う場合は、エアコン等の室温を通年で20〜23℃前後に設定することが基本となる」とあります。続けて、ダブルコートや短頭種、肥満の犬など暑さに弱い個体は夏場はより涼しく、シングルコートや幼齢・高齢の犬など寒さに弱い個体は室温を高めにするよう書かれています。ただ、この箇所の20〜23℃には出典が示されておらず、対象はペットショップやブリーダーなどの動物取扱業者です。研究施設については、環境省の実験動物の基準の解説書が、付録に載せた実験動物施設の基準値で、サル・ネコ・イヌの飼育室を18〜28℃としています。
家庭で何度に設定すべきかについて、研究や公的な資料の根拠を示した数字は、今回も見つけられませんでした。獣医師が監修した記事に目安の数字が載っていることはありますが、私が見た範囲では根拠までは書かれていませんでした。ただ、犬の体が何度で反応を変えるかを測った研究はあります。
金沢大学の Sugano が1981年に発表した研究は、体重約8〜10kgのメスの雑種犬3頭を、夏と冬に熱量計の中で測っています。茶々丸と体重も性別も近い犬です。
| 代謝がいちばん低かった温度 | 体温(直腸温)がほぼ一定だった範囲 | |
|---|---|---|
| 夏の測定 | 26〜29℃ | 18〜26℃ |
| 冬の測定 | 22〜26℃ | 18〜22℃ |
測った温度は18・22・26・29・32℃の5段階です。夏の犬は26℃を超えると体温が上がり、冬の犬は22℃を超えると上がりました。呼吸などで水分を蒸発させて逃がす熱は、夏も冬も26℃を超えたところで増えています。
ただし、これは屋外(屋根の下)で飼われていた犬の測定です。冬の犬は冬の毛をまとって寒さに慣れていました。1年中エアコンの効いた家で暮らす犬に、そのまま当てはまるとは限りません。測定中の犬は器具で保定されていて、頭数も3頭です。
そのうえで、わが家の設定と並べてみます。夏は24℃(暑い日は23℃)で、迎える前の25℃くらいから下げました。どちらも、この研究の夏の犬で体温が上がり始める26℃より低いところにあります。ただ、夏の犬の代謝がいちばん低かったのは26〜29℃なので、24℃はそれより少し涼しい側です。冬の23℃は、代謝がいちばん低かった22〜26℃の中に入っていて、寒さのために代謝を上げなくていい温度域です。ただし、冬の犬の体温がほぼ一定だった18〜22℃よりは、少し上になります。
茶々丸を見ていても、少しでもクーラーを切ると、暑そうにハアハアし始めます。わが家が夏の設定温度を上げないのは、この様子を見ているからです。
エアコンを切る方向の節約には、はっきりした限界があります。英国の一次診療の記録を分析した Hall らの2020年の論文(Animals)は、こう報告しています。
"Of the events with a known trigger, building confinement (OR 6.06, 95% CI 2.13–17.22) had greater odds for HRI associated fatality when compared to exertional HRI only."
きっかけが分かっている症例のうち、建物内への閉じ込めは、運動のみがきっかけの熱中症と比べて、死亡のオッズが高かった(オッズ比6.06、95%信頼区間2.13〜17.22)。
同じ論文は、建物内の事例に、暖房の消し忘れや故障で犬が暑い環境に長く閉じ込められたケースも含まれていたと書いています。冷房だけの話ではありません。散歩の時間帯の決め方は 犬の熱中症の記事 にまとめました。
犬の安全を削らずに電気代を下げるにはどうすればいいでしょうか?
つけっぱなしが得になるかどうかは、外出の長さで変わります。ダイキン工業の夏の実験には結果が2つあります。30分ごとに入り切りした場合と比べる実験では、この実験の条件では、日中は35分まで、夜は18分までの外出ならつけっぱなしのほうが安い、という目安が出ました。ところが、人の生活スケジュールに合わせて運転した実験では、1日の消費電力量はつけっぱなしが5.7kWh、こまめに入り切りしたほうが4.4kWhで、つけっぱなしのほうが1日35.1円高くなっています(同社の換算は1kWhあたり27円)。同社はこの結果を「外出する時刻や時間の長さを考慮せずに『つけっぱなし』にしていると、『こまめに入り切り』するより消費電力量は多くなった」とまとめています。
冬の実験では、30分おきに入り切りするより、どの時間帯もつけっぱなしのほうが消費電力量は小さくなりました。一方、24時間つけっぱなしにした日は12.7kWh、13時間止めるスケジュールで運転した日は11.6kWhで、止めたほうが少なく済んでいます。ただ、電気代の差は約30円でした(同じく1kWhあたり27円での換算)。
わが家のつけっぱなしは、電気代を安くするためではなく、茶々丸のために払っているお金です。そう割り切ったうえで、削れるところを探すことになります。
設定温度を1℃ゆるめると、冷房で約13%、暖房で約10%の電力削減が見込めると、環境省は示しています。わが家の7月の上乗せ約500kWhに当てはめると、すべての時間帯で1℃上げた場合に約65kWh、2,300円ほどです。ただ、上げてよいかどうかは電気代の表では決まりません。夏に24℃から上げるなら、犬の呼吸や過ごす場所の変化を見ながら少しずつになります。私はいまのところ変えていません。
フィルターの掃除は、犬の側に何の負担もかからない節約です。資源エネルギー庁の試算では、2.2kWのエアコンのフィルターを月1〜2回掃除すると、目詰まりしたままの場合と比べて年31.95kWh減ります。
わが家でやっているのは、カーテンを閉めるようにしていることくらいです。節約はあまり意識していません。茶々丸のためなら、という気持ちのほうが先に立っています。
まとめ
犬を飼うと電気代は上がります。平均では月2,000円弱です。わが家は7月に冷房で約1.8万円(値引き前)増えましたが、茶々丸のためだけの分を数えると、外出中を除いて4,000〜6,400円ほどでした。
- 電気代を前の年と比べるなら、金額ではなく使用量(kWh)で比べる。賦課金も国の値引きも年によって変わる
- 冷暖房を使わない月の使用量を「素の電気」にすると、エアコンの上乗せ分が見える
- 30分ごとの使用量があれば、犬がいなければ切っていた時間(夜中・外出中)の分を切り出せる
- 外出が長いと、つけっぱなしのほうが電気を使う。犬のために払っている分として数える
- 全犬種に当てはまる温度の範囲は示されていない。設定は犬の様子を見て決める
- エアコンを切る方向の節約はしない。建物内に閉じ込められて起きた熱中症は、運動中より死亡のオッズが高い
夏は、SiPPO Friends の天気とお散歩指数で温度が高いのを見て、散歩に行くのをやめた日もあります。散歩をやめる判断と、家のエアコンを切らない判断は、どちらも茶々丸の暑さを基準にしています。電気代の請求を見て驚いたら、まず金額ではなく使用量のほうを見てみてください。
よくある質問
- 犬を飼うと電気代は月いくら上がりますか?
- 平均では月2,000円弱です。アニコム損保の2025年の調査で、犬の飼育に伴って増えた光熱費は年22,273円でした。ただしこれは飼い主が見積もった追加分の平均で、冷暖房の使い方で大きく変わります。リビングのエアコンを24時間つけ、夜は寝室も動かすわが家では、7月に冷房で約1.8万円(値引き前)増えました。そのうち犬のためだけの分は、外出中を除いて4,000〜6,400円ほどと見積もっています。
- 犬の留守番中はエアコンをつけっぱなしにしたほうがいいですか?
- 夏場は切らないほうが安全です。英国の一次診療データを分析した Hall らの2020年の研究では、建物内に閉じ込められて起きた熱中症は、運動中に起きたものに比べて死亡のオッズが6.06倍でした。ただし、長い留守番ではつけっぱなしのほうが電気代は高くつきます。ダイキン工業の夏の実験では、その実験の条件で、日中は35分まで、夜は18分までの外出ならつけっぱなしのほうが安く、それより長いと切ったほうが消費電力量は小さくなる、という目安でした。留守番中の冷房は、犬の安全のための出費です。
- 犬のためのエアコンは何度に設定すればいいですか?
- すべての犬に当てはまる温度の範囲は示されていません。欧州食品安全機関(EFSA)は2023年の評価で、犬種による差が大きく、代謝が気温によらず一定になる温度域(温熱的中性域)を全犬種共通では示せないとしています。屋外で飼われていた体重約8〜10kgのメス犬3頭を測った1981年の研究では、夏は26℃、冬は22℃を超えると体温が上がりました。犬の呼吸や様子を見ながら調整するのが現実的です。
- 電気代が上がったのは電気料金の値上げのせいではないですか?
- 金額ではなく使用量(kWh)で比べると区別できます。再エネ賦課金は2024年度の1kWhあたり3.49円から2026年度は4.18円に上がり、国の値引きも月によって付いたり消えたりしています。円で比べるとこうした単価の変化が混ざるため、検針票のkWhで前年と比べるのが確実です。
- 犬の安全を削らずに電気代を下げる方法はありますか?
- 設定温度を1℃ゆるめると、冷房で約13%、暖房で約10%の電力削減が見込めると環境省は示しています。資源エネルギー庁の試算では、2.2kWのエアコンのフィルターを月1〜2回掃除すると、目詰まりしたままの場合より年31.95kWh減ります。一方でエアコンを切る方向の節約は、犬の熱中症のリスクと引き換えになります。
出典・参考文献
- 2025最新版 ペットにかける年間支出調査 — アニコム損害保険株式会社(2026年3月11日)
- 2024最新版 ペットにかける年間支出調査 — アニコム損害保険株式会社(2025年3月11日)
- 再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します — 経済産業省(2026年3月19日)
- 再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2024年度以降の買取価格等と2024年度の賦課金単価を設定します — 経済産業省(2024年3月19日)
- 国による電気・ガス料金支援について — 東京電力エナジーパートナー
- 省エネ家電の上手な使い方・選び方「エアコン」 — 省エネ型製品情報サイト
- エアコンの使い方について(家庭部門のCO2排出実態統計調査) — 環境省
- 空調|無理のない省エネ節約(省エネポータルサイト) — 資源エネルギー庁
- mission5-1 夏のエアコンつけっぱなし検証 — ダイキン工業
- mission5-2 冬のエアコンつけっぱなし検証 — ダイキン工業
- Scientific and technical assistance on welfare aspects related to housing and health of cats and dogs in commercial breeding establishments — EFSA Journal(欧州食品安全機関 2023)
- Seasonal Changes in Heat Balance of Dogs Acclimatized to Outdoor Climate — Japanese Journal of Physiology(Sugano 1981)
- 動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針~守るべき基準のポイント~ — 環境省(2021年5月)
- 実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準の解説 — 環境省(平成29年10月)
- Dogs Don't Die Just in Hot Cars—Exertional Heat-Related Illness (Heatstroke) Is a Greater Threat to UK Dogs — Animals(Hall ら 2020)
愛犬の毎日を、記録に残しませんか
散歩のルートも、体重や通院のメモも、気づいた体の変化も。SiPPO Friends はすべての機能を無料で使えます。

SiPPO Friends 編集部
犬の飼い主のための情報を、海外の獣医学研究や公的機関の資料をもとにお届けします。


